浸透圧とは溶媒と溶質が同じで濃度の異なる溶液を半透膜で
隔てた時に、溶質が半透膜を通らない大きさの場合は半透膜
の性質上、溶媒(水等)が膜を通して移動(浸透)し始めます。
この時に濃度の高い溶液のほうにかかる圧を浸透圧といいます。
同じ濃度の場合は浸透圧は生じませんが濃度が異なる場合は
低い方から高いほうへ溶媒が浸透する割合が高くなります。
濃度の低いほうの溶媒(水等)が移動する量と濃度の高い方の
溶媒(水等)が移動する量に差が出てきます。
濃度の高い溶液は溶質が多い為、その分溶質が溶媒の移動を
邪魔します。
反対に濃度の薄い溶液は溶質の量が少ない分、溶媒の移動が
よりスムーズに出来ます。
その為、溶媒の移動の量に差が出てきます。
濃度の低いほうの溶媒が濃度の高いほうへ移動する量が多くなります。
そうなると当然、濃度の高い溶液の量が増えます。
浸透圧が高ければ高いほど、すなわち濃度が高ければ高いほど
水などの溶媒が移動する量が増えることになります。
浸透がすすむと濃度の高いほうの溶媒が増えると同時に濃度は
徐々に低くなります。
反対に薄い方の溶液は溶媒が少なくなる為、徐々に濃くなります。
同じ濃度になった時点で浸透圧は生じなくなります。
つまり浸透圧が平衡状態(同じ)になります。
浸透がすすむと、濃度の高い溶液の量が徐々に増えます。
増えた分、薄くもなりますが、液面も高くなります。
反対に薄いほうの溶液は徐々に減ります。
溶媒が減った分、濃度がより高くなり、液面は低くなります。
液面の高さに差が出てきます。
この差が浸透圧の大きさ?になる・・・・ということでは
ないでしょうか??
文献により表現はいろいろあるようです。
同じ濃度になろうとする力、浸透を阻止する力、濃度の高い溶液に
かかる圧力などあるようです。
浸透とは?
濃度の異なる溶液を半透膜で隔てた時、濃度の低い方の溶媒が
濃度の高い溶液のほうに移動すること。
例
濃度の違う砂糖水を半透膜で仕切った場合は、濃度の低い方の
水(溶媒)が、半透膜を通って、濃度の高い砂糖水(溶液)
のほうへ移動します。
*溶質が移動することを透析
浸透圧の単位
Osm(オスモル)
mOsm(ミリオスモル)
血液(血漿)の浸透圧
280~300mOsm(ミリオスモル)/L
*数値は文献により多少異なります。
Osm(オスモル)/L mOsm(ミリオスモル)/L
溶液の浸透圧を表す単位。
一定量の液体に含まれる粒子の数の単位。
等張液
血液(血漿)の浸透圧とほぼ同じ。
0.9%の食塩水と同じ(生理的食塩水・生食)。
5%ブドウ糖液、乳酸リンゲル液 とほぼ同じ。
高張液
血液(血漿)の浸透圧より高い。
低張液
血液(血漿)の浸透圧より低い。
浸透圧を左右する溶質
浸透圧は主に電解質、ブドウ糖などの濃度により左右される。
中でも最も浸透圧に関与している溶質はNa+(ナトリウムイオン)
ナトリウムが多いと浸透圧も高くなる。
浸透圧比
生理的食塩水(約286mOsm・血漿とほぼ同じ)を1として
比較した場合の浸透圧。
浸透圧が600mOsmだと、浸透圧比は約2。
体液の浸透圧
体液には細胞内液と細胞外液があります。
通常は血漿と同じ。
生理食塩水とほぼ同じ。
濃度と浸透圧の関係
温度が一定のときは通常は濃度が高いと浸透圧も比例して高く
なります。
半透膜とは?
一定の大きさ以下の分子やイオンを通す膜。
セロファン膜、人体の細胞膜や血管壁など。
溶媒
固体や液体、気体などを溶かす液体。
溶媒の代表的な液体が水。
溶質
溶媒に溶けている成分(固体、液体、気体)。
溶液
溶媒と溶質からなる液体。
砂糖水の場合は水が溶媒、砂糖が溶質、砂糖水が溶液。
◇参考文献
書籍
人体生理学ノート(金芳堂)p103~p105
最新医学大辞典(医歯薬出版株式会社)p160,p728
電子辞書・広辞苑
溶媒、溶質、浸透圧、浸透 半透膜
インターネット
日本流動食協会HP内・流動食の使い方
www.ryudoshoku.org/tukaikata_5p.html
濃厚流動食品と浸透圧について
www.ryudoshoku.org/sintoatu_2p.html
www.ryudoshoku.org/sintoatu_3p.html
ウィキーペディア
ja.wikipedia.org/浸透圧
ja.wikipedia.org/溶液
ja.wikipedia.org/半透膜
ja.wikipedia.org/逆浸透膜