筋肉内注射


◆筋肉内注射とは?

筋肉内に薬液を注入することを筋肉注射

又は筋肉内注射といいます。

筋肉は皮下組織の下にあります。

皮下組織よりも血管が多い為、皮下注射

よりも吸収が早いです。

 

 

◆目的・方法・針のサイズ・注意点など

目 的

刺激性の強い薬剤や油性、懸濁液などや

皮下注射に比べて量が多い場合などに実施されます。

 

注射針のサイズ 

21G ~ 23G

油性の薬液の場合は21G

薬剤の種類によっては、20Gを使用する

ケースもあります。

 

注射液の量

1ml ~ 5ml  

量は目安です。

薬液の種類や年齢などにより異なります。

 

注射針挿入時の角度

注射部位に対して90度。

 

注射後のマッサージ

よく揉む 

よく揉むことにより、薬液の吸収を良くし

硬結(しこり)や疼痛、変色などを防ぎます。

 

揉んではいけない薬液もありますので、

注射する時は薬剤師や医師に確認してくだ

さい。薬剤に添付されている説明書の確認も必要です。          

 

注意すること

皮下注射と同じですが、皮下注射よりも

深く刺すため、より注意が必要です。

筋肉内は血管も多いため穿刺後、

注射器内に血液が逆流してきたら

速やかに針を抜いて圧迫します。

激痛がした場合も直ちに針を抜きます。

 

 

◆注射する部位

三角筋(上腕外側の肩の筋肉)、大腿部

臀部(お尻)の中殿筋(外側の上)

子どもや痩せている方は、お尻に注射した方が安全です。

 

上腕三角筋の注射部位

肩峰の約三横指下。

 

臀部の中殿筋の注射部位

クラークの点

上前腸骨棘と上後腸骨棘を結ぶ線の外側

から1/3の部分。

上前腸骨棘は両側腸骨(骨盤最大の骨)

の前方の突き出た部分。

腰に手をあてた時に前に触れる突き出た部分。

上後腸骨棘は両側腸骨後方の突き出た部分。

腰に手をあてた時に後方に触れる部分を

後ろに辿っていくと、上後腸骨棘に触れます。

腹臥位になった時はわかりやすい??。

上前腸骨棘はわかりやすいですが、

上後腸骨棘はわかり難いですかね・・・

 

4分3分法

臀部片側の左右上下それぞれニ等分にします。

全部で4等分になります。

片側臀部の中心(4等分になった中心)

から上方の外側45度の角度で線を引きます。

引いた線を3等分します。

注射部位は45度で引いた線の外側

1/3の部分になります。

 

ホッホシュテッツの部位

実施者(注射する人)の手掌を大転子部

に置いて指を開きます。

第2指(人差し指)を上前腸骨棘に置い

た時に、第2指と第3指及び腸骨稜に

囲まれた中心が注射部位になります。

大転子は大腿骨上部の外側に突き出た部分。

側臥位にするとわかりやすいですかね。

 

多く実施されているのは4分3分法、

安全性がより高いのはクラークの点。

 

皮膚の構造

体の表面から順に「表皮 真皮 皮下組

織」から成り立っています。

皮下組織の下が「筋肉」になります。

体表面に近いほど、体内への吸収が速度

が遅くなります。

吸収速度が違うことにより、目的も違ってきます。

 

 


◇参考文献
書籍
最新医学大辞典(医歯薬出版株式会社)
ポケット看護辞典(廣川書店)
写真でわかる基礎看護技術①看護技術を基礎から理解!(株式会社インターメディカ)p27~p36
OXFORD ポケット看護辞典 廣川書店
ナース必携最新基本手技AtoZ EXPERT・NURSE 保存版 小学館
ポケット版カルテ用語辞典 編集大井静雄 照林社発行 小学館発売

インターネット
ウィキペディア
//ja.wikipedia.org/wiki/注射