急性で重いアレルギー反応。
蕁麻疹などの皮膚の症状や、呼吸困難などの呼吸器症状、
血圧低下、意識障害など重い症状(アナフィラキシーショック)を呈することが多い。
中にはショック状態に陥り死亡することもある。
抗生剤(抗生物質・抗菌剤)のアレルギー反応について
( 皮内反応の有用性と安全対策などについて)
◇皮内反応の有用性について
テストで陰性になってもアレルギー反応を起こす方が
少なからずいらっしゃったり、逆にテストが陽性でも実際の投与では
アレルギー反応が出ない方もいらっしゃるなど、皮内反応の有用性が
疑問視され、現在では薬剤の添付文書の注意書きから
「事前に皮膚反応を実施することが望ましい」という文章が
削除され改訂されています。
アメリカでは抗菌剤の皮内反応テストは実施されていません。
◇アナフィラキシー様症状
前駆症状として、局所的な症状では、注射部位から中枢(心臓の
方向)に向かって皮膚の発赤、痒み、腫れ、痛みなどの症状が
出現します。
全身症状としては、注射部位以外の発疹、痒み、熱感、しびれ感
咳、喘鳴、のどの異常感(むくみなど)、喉の渇き、気分不快、
冷汗、悪寒、頭痛、眩暈、耳鳴り、不安感 などがあります。
☆上記の様な症状が出現したら、
速やかに投与を中止します。
アナフィラキシー様症状が出現する前に即ち、重いアレルギー反応
が起こる前に、早期に異常を発見して適切な処置をします。
◇ショック及びアナフィラキシー様症状の程度と対処
○ 軽症の場合
重いアレルギー反応(アナフィラキシー)があるが、
血圧低下や意識障害、呼吸困難などの症状がない場合
対 処
補液
抗アレルギー剤や副腎皮質ホルモン剤の投与。
場合によっては、酸素吸入の実施、アドレナリンの投与。
バイタルサインのチェック、全身状態の観察を十分に行い、
ショック時に備えて血管確保の確認と救急処置の準備をします。
輸液や救急薬品、酸素吸入、挿管セット、痰の吸引セットなどの
救急カート、心電図モニター、パルスオキシメーターなどの
準備や確認をしておきます。
○中等症から重症 の場合
中等症
血圧低下と呼吸困難が軽度見られる場合(中等度の症状)
重症
血圧低下、意識障害、呼吸困難が見られる場合(重度の症状)
対 処
●呼吸器の管理
酸素吸入、気道の確保(気管内挿管や気管切開など)
人工呼吸器の装着、吸引。
●循環器の管理
補液と救急薬品の投与
カテコラミン類、ステロイド剤、抗ヒスタミン剤など。
あ行ア 項目一覧
参考文献・一部引用
インターネット
厚生労働省HP内
平成16年(2004年)10月 厚生労働省医薬食品局
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1028-2a.html
その他の参考文献
書籍
最新医学大辞典(医歯薬出版株式会社)
ナース必携最新基本手技AtoZ EXPERT・NURSE 保存版 小学館
ポケット看護辞典(廣川書店)
OXFORD ポケット看護辞典 廣川書店
ポケット版カルテ用語辞典 編集大井静雄 照林社発行 小学館発売
インターネット
厚生労働省HP
www.mhlw.go.jp/
ウィキペディア
ja.wikipedia.org/wiki/