IVH(アイブイエイチ)


◆IVHとは?

Intravenous Hyperalimentationの略

高カロリー輸液のことです。

中心静脈栄養、完全静脈栄養等とも呼ばれています。

中心静脈にカテーテルを挿入(留置)し

栄養などを補給する方法です。

 

Intravenous

Hyperalimentation を

日本語に直訳すると、

I=intra=内部に 

V=venous=静脈の

H=hyperalimentation= 高栄養摂取

静脈内の高栄養摂取

即ち「高カロリー輸液」になります。

 

病院などでよく言われている中心静脈は

正確には

CV= Central  Vein です。

 

中心静脈栄養法を意味する英語は、

TPN・Total Parenteral Nutrition

完全静脈栄養法といいます。

 

 

◆中心静脈栄養法について

中心静脈とは心臓(心房)に近い太い

静脈で通常は上大静脈と下大静脈のことをいいます。

中心静脈にカテーテルを留置して、必要

な栄養素やエネルギー、水分、電解質等

を補給する方法です。

 

中心静脈に対して、普通の静脈注射や点滴

などに利用される血管は末梢静脈になります。

 

 

◆ 末梢静脈栄養法(PPN)について

短期間(目安としては2週間以内)、

口から必要なカロリーや水分などを摂取

できない場合に、末梢の静脈を通して

栄養補給をする方法です。

 

末梢静脈栄養法を意味する英語は、

PPN

Peripheral Parenteral Nutrition

です。

 

 

◆末梢静脈栄養と中心静脈栄養の違いについて

●中心静脈に比べて血管が細く、流れる血液量も少ない

血管が細いと濃度の高い輸液を投与する

には、リスクが高くなります。

静脈炎や血管痛の原因になります。

静脈炎になると血栓が生じやすい為、

静脈の閉塞の危険が高くなります。

挿入や固定が不十分だった場合は、

血管外に漏れる危険があります。

抗がん剤や造影剤などが組織内に漏れた

場合は壊死を起こす危険もあります。

 

●末梢の静脈からは充分な栄養補給が出来ない

1日に必要な栄養を補給するためには、

末梢の静脈からは限界があります。

末梢静脈からの栄養補給が2週間を超え

る場合は、中心静脈に切り替えた方が安全です。

 

●末梢からの血管確保の方が容易で、穿刺時のリスクが低い

中心静脈の確保は医師でなければ実施できません。

末梢の場合は、熟練した看護師なら

医師の指示の下、実施できます。

穿刺時のリスクもより低くなります。

 

濃度の高い輸液を投与する理由は?

一日に必要なカロリーを補給するには、

輸液が多量に必要になります。

一度に多量の輸液は投与できないため、

濃度を高くして適切な量に調節する必要があります。


◇参考文献

書籍

最新医学大辞典(医歯薬出版株式会社)

ナース必携最新基本手技AtoZ EXPERT・NURSE 保存版 小学館

ポケット看護辞典(廣川書店)

OXFORD ポケット看護辞典 廣川書店

ポケット版カルテ用語辞典 編集大井静雄 照林社発行 小学館発売

 

インターネット

厚生労働省HP

www.mhlw.go.jp/

ウィキペディア

ja.wikipedia.org/wiki/